kairatune の使い方 ~ディレイ編~
今回は一番楽しいディレイセクションを見ていきましょう。
注)説明するセクション意外は Init 音源から手を加えておりません。音源は単音のノコギリ波を使用します。
ページ内目次
・ディレイってなんぞ?
- 「Delay」とは、遅延とか遅らせるとかいう意味です。
- シンセサイザーでは、ある音を発声したら、その音を再利用して再び発声させる、というような意味合いです。
- 決して発声自体を遅らせるという意味ではありません。
・ディレイ操作パネル
- 今回はこのように分類します。
- ディレイのパネルは非常に単純ですが、音作りには欠かせないものです。
- ぶっちゃけどんな音でもディレイ掛けとけば(ry
・SYNC, 電源マーク (黄色のセクション)
- 右上の電源マークは、ディレイの on/off を切り替えます。
- これが光っていないと、いくらツマミをいじっても音が変わらないので注意。
- SYNC は、DTM ソフトとのテンポシンクロをしてくれます。
- SYNC は電源同様、光っている時が on で、暗い時は off になっています。
- SYNC を off にすると、すぐ下にある L と R の値が変わるのがわかると思います。
・LR (赤色のセクション)
- これはディレイを掛けた時に、戻ってきた音 (ここではディレイ音と呼びましょう) を再び発生するまでの時間を表します。
- LR と言うのは、Left/Right (左右) のことです。
- kairatune の場合は LR の値を揃えることはあまり無いようです。
- 用途によりますが、基本的には上の画像の値にしておくと良い感じに聞こえます。
・HPF, BPF (緑のセクション)
- ここがディレイの中核です。
- HPF といえば、前回のフィルタセクションでやりましたね。
- ここでの HPF というのは、ディレイ音に対してのフィルタリングですので注意してください。
- BPF というのは、「Band Pass Filter」のことで、(ディレイ音の) 周波数付近の音を通すフィルタのことです。BPF についてはこの辺のサイトがわかりやすいかと思います。
- 以下でツマミの説明をします。(HPF と BPF を合わせて説明します。)
SEND
- SEND はディレイ内にあるフィルタに、原音をどの程度送るか、ということを表しています。
- この値が1%以上でないと電源ボタンを押していても、ディレイが掛からないので注意してください。
- 少しわかりづらいので以下の画像を参考にしてください。
HPF, BPF
- これらのツマミは、SEND の右にあるものを指していますのでご注意ください。
- ここを1以上にすると、ディレイ音がフィルタリングされます。
- 百聞は一聴に如かずということで、聞いてみましょう。
以下はHPF側のみのパラメータをいじったもの
以下はBPF側のみのパラメータをいじったもの
FB
- FBは先程示した図のように、ディレイ音を繰り返してくれます。
- フェイスブックではありません。
- FB を大きくし過ぎると、ディレイ音が消えなくなるので注意が必要です。
- さらに詳しく言うと、ディレイ音をフィードバックすると、指定したパーセンテージ分が乗算されます。
- 例えば、15%なら1つ目のディレイ音は15%、2つ目のディレイ音は15%*15%で、SEND の2.25%になります。
では今回も、以前作っていた音にディレイを増やしてみます。
ディレイ以外は前回と同じ音です。
関係ない部分が入るので、ディレイの画像は分離させてあります。
・番外:BPF Delay は意外と良い奴?
- ディレイセクションでは、BPF Delay がとても興味深いです。
- というのも、kairatune のフィルタリングが独特なものとなっているためです。
- kairatune ではカットオフ周波数を一定の値で決めるのではなく、発声されている音を見て、相対的に決めます。
- そのため、BPF Delay を掛けて音階を鳴らすと、フェーザーのような効果が得られるようです。
- 今回の参考楽曲 (いつも最後に載せているやつ) でフェーザーっぽく聞こえたのは、BPF Delay を使っているからです。