わかりやすくVSTの説明とか書いていけたらいいね。

DTM初心者の僕が使うVSTを解析し、皆さんと共有できればいいなと考えています。

kairatune の使い方 ~オシレータ編~

今日はシンセサイザーの心臓部と言えるオシレータセクションを詳しく見ていきましょう。

注)シンセサイザーの基本も含めて書いていくので、不要な方は適宜飛ばしてください。「・オシレータ (Oscillator) ってなんぞ?」から kairatune の説明をしています。

 

ページ内目次

  1. とりあえず、基本となる音を作ろう
  2. 基本音色を聞いてみよう
  3. オシレータ (Oscillator) ってなんぞ
  4. WAVE
  5. LOW, TRIM
  6. MULTI
  7. 番外1:困ったツマミさん
  8. 番外2:波形閲覧ソフト
  9. 番外3:kairatune のシグナルフロー

 

 

 

・とりあえず、基本となる音を作ろう
  • エフェクトが掛かっているとわかりにくいので、基本となる音を作ります。
  • とはいっても、作るというレベルではありませんが。
  • 文字だけ見ていても始まらないので、実際に触りながら記事を読んでいただけると良いと思います。
  • kairatune 右上にプリセットを選択するところがあります。
  • そこ(下図の赤枠の位置)で、「右クリック」→「New」と選択すると Init という音色が現れると思います。これが基本音色です。

f:id:how2use_vst:20160127164244p:plain

 

・基本音色を聞いてみよう 

  Download

  •  なんともゲームっぽい音ですな
  • では以下で、この音色を司るオシレータを見ていきましょう

 

・オシレータ (Oscillator) ってなんぞ?
  • オシレータとは「発振器」のことで、シンセサイザーでは音声発生器という意味で使われます。
  • オシレータはシンセサイザーごとに特徴や音質が違うので、目的にあったシンセサイザーを探すのに一つの指標になると思います。
  • シンセサイザーの上では「OSC」などと略して書かれていることが多いです。oscillator  oscillator sections
  • 初期設定 (Init音色) では上の左の画像の様になっていると思います。
  • これ全体をオシレータと呼びます。(kairatune では操作パネルの左上に配置されている)
  • このオシレータを右の図のように3つのセクションに分けて見ていきましょう。

 

・WAVE (緑色のセクション)
  • 要するに波形。
  • kairatune では「ノコギリ波」と「矩形波」の2つしかありません。
  • そして、この2つの波形の間でヌルヌルと動かす事が可能です。
  • ちょっと聴き比べしてみましょう↓

  Download 「ノコギリ波」100%の音源

  Download 「矩形波」100%の音源

  Download それぞれ50%ずつの音源

  • いかがでしょう、WAVEはこれだけの単純なものです。
  • が、音色を決めるものなので、意外と侮れませんね。

 

・LOW と TRIM (青色のセクション)

 LOW

  • LOW は基本周波数の音量を調節します。0dBが通常の値です。

  • イメージとしては、音を薄くできるものという感じでしょうか。

  • Download 
  • (上の音源は先ほどの50%ずつの音源でLOWを-infにしたもの)
  • -inf はマイナス無限大のことで、基本周波数を全てカットしてくれます。
  • 基本周波数については言及しませんがこちらのサイトや他サイトで多くの情報がありますので、参考にしてください。(僕はあまり詳しくありません)

 TRIM

  • TRIM は多分 Trimming の略です。ハイ。
  • とりあえず、TRIM はオシレータの音量を調節するものです。
  • あくまで、オシレータから出る音量を調節するものなので、ここで全部の音量を調節しようとかはあまり考えないほうが良いです。上限は+24dB、下限は-inf のようです。

 

 ・MULTI (黄色のセクション)
  • はい、出ましたね。今回の難関。長いですが頑張りましょう。
  • ぱっと見では何が何やらわからないものが多いですが、分解して見ると意外と単純なツマミが多いですよ。
  • ちょっと説明がややこしくなるので、再度図を載せましょう。

     multi

  • さて、これが MULTI の操作パネルです。
  • そもそもマルチって何ぞと思う方がいるでしょう。
  • kairatune のオシレータは、「基本となるオシレータに対して、追加オシレータを4つ配合する事ができる」仕組みになっています。
  • この追加オシレータ4つを担うのがマルチなのです。
  • ちなみに追加オシレータはすべて連動して動きます。
  • では以下で各ツマミを見ていきましょう。

 MULTI

  • MULTI ツマミは基本オシレータと追加オシレータの音量の割合を操作できます。
  • パーセンテージが大きくなるほど追加オシレータの音量が大きくなります。
  • ちなみに0%にすると、以降で説明するツマミをいじっても音が変化しません。

 SPRD

  • SPRD は spread の略で、音の広がりを決定します。
  • パーセンテージが大きくなるほど、音が広がって聞こえます。

 PHASE

  • PHASE 自体は「位相」という意味なのですが、どうやらここでは PHASE SEPARATION (位相の分離) のことらしい。(要検証)
  • ちょっと説明が煩雑になるので以下の図で説明します。

    phase level 0

    phase level 0.050

    phase level 0.100

  • これは、同じ周波数のノコギリ波にフェーズを掛けた時の位相の変化です。
  • 上から順に、フェーズなし、0.050、0.100 となっています。
  • 見て分かる通り、波(位相)が引き離(分離)されているのがわかると思います。
  • このように、フェーズは位相を分離してくれます。
  • 音のイメージとしては、モワッとする感じです。

  Download phase=0.100, saw:square=50:50

 

 DTN

  • DTNは、自動 PHASE のような感じです。
  • PHASE は分離させたら音がそのままですが、DTN を用いると、PHASE を掛けたものが再び戻ってきて、また PHASE がかかり始めます。
  • 言葉ではよくわからないと思うので、ぜひ自分でも操作を試してみてください。 

  Download DTN=20, saw:square=50:50

 

 TRIG

  • TRIG は ON/OFF のみの操作ができます。
  • ON (ランプ点灯) にすると、DTN や MASS をつけた音色の時に音が途切れて次のノートに移った場合、かかり具合を初期化してくれます。
  • これは主に DTN の値が低い時に有用です。

  Download DTN=20, trig=on, saw:square=50:50

 

 MASS

  • MASS は追加オシレータにモジュレーションを掛ける量を操作できます。
  • その名の通り、若干音が重くなります。本当に若干。質量感みたいな物が出るのほうが正しいかも。
  • 単体でも音は変わりますが、これから紹介するツマミと一緒に使うと、より強力になります。
  • ちなみに MASS が1%以上に設定されていないと、下記に出てくるツマミは効果がありません。

 

 RATE

  • MASS でモジュレーションを掛けるときのレートを操作できます。
  • モジュレーションとは、周波数を前後させることによって、うねりのような音を生み出すことです。
  • 言葉ではよくわからないので、聞いたほうが速いと思います。

  Download mass=rate=100, saw:square=50:50

 

 VARI

  • モジュレーションレートに変化を加える事ができます。
  • 文字にするとよくわからないですが、音に透き通りが出たり、ブリブリ感を増す事ができるようなものだと思えばいいです。(RATE と同時に使用した時)
  • 深く考えずに、自分の耳を信じましょう(投げやり)。

  Download mass=rate=100, vari=30, saw:square=50:50

 

 

以上でオシレータの説明は終わりです。オシレータはシンセサイザーごとに特徴があってややこしいものです。しかし、音の心臓部なので妥協せずに覚えておくと後々楽になるのではないのでしょうか。

以下はオシレータセクションだけで音作りをしたものです。ほかのセクションは一切触っていません。設定は画像の通りです。

  osc only sound

  Download

長くなったので今回はここまでです。

 

 ピッチ編できました !(クリックで移動)

 

 

 

・番外1:困ったツマミさん
  • kairatune ってユーザインターフェースがカッコイイですよね。
  • 一方で、初見だとどこがいじれるのかわかりにくい。
  • この VSTi はネジツマミが無いのに、数値を操れるものがあります。
  • ツマミがないものは、数値の上でクリックしたままマウスを上下に動かすと変えられます。
  • Synth1 ばっかり使ってたから僕は最初気づきませんでした。

 

 ・番外2:波形閲覧ソフト
  •  phase の説明の際に波形が出てきました。
  • あの波形を見るために使っていたソフトをご紹介します。
  • このソフトは「WaveSpectra」というフリーソフトで(開発サイトへ)、波形や周波数分布などをリアルタイムで見ることができます。
  • 音を作るときに、ツマミにどのような効果があるかなどを見ることができるので愛用しています。
  • ぜひ皆さんも活用してください。

     

・番外3:kairatune のシグナルフロー
  • ちょっと難しい話をしましょう。
  • kairatune は減算型シンセですが、そのプロセスのフローはどうなっているかを知っておくと、更に kairatune が扱いやすくなります。
  • 以下がシグナルフローです。(クリックで拡大)

signal flow

  • 今回やったオシレータセクションは左から2番目にありますね。
  • 画像を見ると、オシレータの前にピッチがあることがわかります。
  • すなわち、音を出す前にピッチを決めておくというのが kairatune の仕様のようです。
  • この図を覚えておくと、音を作るときに有利になる(かも知れません)。
  • もちろん覚えなくても音は作れます。

 

 

 

 

 

KORG USB MIDIキーボード microKEY-25 マイクロキー 25鍵

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